メインメニューを飛ばして本文へ

メインメニューを飛ばしてサブメニューへ

メインメニューを飛ばしてその他のメニューへ





2003年度 努力賞受賞(2) | これまでの受賞者

日刊工業新聞社主催 フレッシャーズ産業論文コンクール
努力賞受賞
中堅・中小企業における情報活用・管理の将来像

ヤマハモーターソリューション株式会社
南沢 友裕

企業の資産は、一般的に人・物・金である。だがその3点以上と言っても過言ではないほど重要な資産が近年の企業には存在する。そのかけがえのない資産は会社の将来の命運を握っていると言っても決して大袈裟ではない。その資産こそが“情報”である。情報は、企業にとって将来への羅針盤であり、過去の道筋を示した道しるべである。企業の将来像を語る上でこの情報こそが最も重要なのである。

この資産は非常に大切なものであるが、ずっと宝箱にしまっておくべき物ではない。この資産は活用することによって、企業にとって非常に大きな力になるからである。いかにうまく活用することができるのかが企業の成長・利益を伸ばす上で非常に重要である。そしてこの資産を全力で守ることももちろん必要である。この資産は確かに大きな力をもたらすが、喪失・漏洩した際、その企業のダメージは計り知れない。この資産を活用し保守するためには、まず体制を作ることが非常に大切なことである。

なぜ、これほど情報は重要と考えられるのか。企業において情報は、その企業独特の歴史・現在の状況及び問題点・将来の方向性を表す指針である。そこには企業の成功を助ける様々なヒントが詰まっている。また、顧客情報や人事経理情報など会社にとってかけがえのない財産もある。

これらの情報を活用するためには、まず入れ物が必要である。その入れ物は、情報が溢れ出さないように十分な大きさを持っている必要がある。そして、頑丈であり外からは絶対に取り出せない安全性が求められる。また、入れ物の外からもしっかりとした監視が必要である。これらの管理体制は非常に重要であり、決して手を抜いてはならない。だが、価値が高い情報ほど管理に対するリスク・コストが大きい。

最近では、様々な中堅中小企業が、この情報の重要性に気づき始めている。だが、膨大な情報を抱え込むには、それなりの入れ物を用意し、管理体制を徹底しなくてはならないことを忘れてはならない。では、中堅中小企業において、このような大掛かりで万全な管理体制が実現できるのであろうか。大企業は情報をフルに活用するための体制を作ることができるだけの施設・資金を有している。どの企業もデータセンターを自社に抱え、情報資産をフルに活用しているのである。では、中堅中小企業ではどうだろうか。中堅中小企業の規模で万全の体制を築くのは難しいだろう。また、各社の本業は別のところにあり、この情報分野に全力を注ぐということは、情報の重要性を認識できていたとしても難しいと考える。だが、情報の価値・重要性は大企業も中堅・中小企業も変わらない。この情報資産を活用できていないということは、まさに宝の持ち腐れである。

重要な資産である情報をフルに活用するため、そしてこのかけがえのない資産を守るために、中堅中小企業は今後どうすれば良いのだろうか。私の職場であるデータセンターの業務を参考例にして検証みようと思う。

私は現在、大企業内のデータセンターで勤務している。一見その企業内にあるということで、データセンターはその大企業専属のデータセンターと思われがちであるが、そうではない。このデータセンターは、中堅企業であるグループ会社のデータセンターとの統合を計画し実行している。その統合は、各企業の底辺を支えることにより安心感を与え、本来の業務に集中できる環境を提供することが目的である。また、精度の高い情報管理・大規模な施設の利用権を提供することによって、中堅企業単独では行えなかった大規模な情報活用が実行できるという狙いがある。

では、実際にこのデータセンターで行われた中堅企業であるグループ会社のデータセンターとの統合例を参考に、それがこの中堅企業にもたらした利点はどのようなものであったのか述べてみたいと思う。この統合が生んだものは、情報システムコストの削減・セキュリティー安全性の向上・情報収容量の物理的な限界の除去である。また、他の企業と連携することによって、今まで引きこもっていたために見えていなかった課題も発見された。専任のデータセンターがなくなり、小回りがきかなくなってしまったが、これは、先を見据えた判断をせず、その場しのぎの対応を実施していた為に起こっていた2次被害の要素を減少させたというメリットももたらした。

検証したものはグループ企業間においての統合であるが、私はこのようなデータセンターの統合はグループ企業間だけでとどめるべきものではなく、全ての企業において必要であると思う。中堅中小企業は情報資産を最大限活用するために、データセンターへのアウトソーシングを進めていくことが重要であると考える。それが企業の将来をさらにより良い方向へと導く鍵になるのではないだろうか。



Copyright © YAMAHA MOTOR SOLUTIONS CO., LTD. All rights reserved.